新生児の出血性疾患予防のためのビタミンK2シロップ投与法 「3回法」から「3ヵ月法」への変更のお知らせ

2021年6月1日

変更前 変更後
3回法
①出生後
②生後1週間(産科退院時)
③1ヵ月検診時の3回内服
合計3回内服
3カ月法
①出生後
②生後1週間(産科退院時)
③2回目から1週間ごとに11回
合計13回内服

*入院中に服用方法をご説明しますので、ご家族で飲ませていただきます。
*服用後に嘔吐しても同じ日に繰り返し飲ませる必要はありません。
*毎回のように嘔吐してしまう場合にはご連絡ください。

説明

ビタミンKが不足すると新生児に出血性疾患が起こることが知られています。
新生児はビタミンKが欠乏しやすいためビタミンK2シロップ内服が必要です。
ガイドラインでは、「3回法」が推奨されていました。
しかし2021年の小児科学会の調査で、「3回法」を行ったにも関わらず11例の頭蓋内出血の発症例がありました。一方、「3ヵ月法」を行った症例では頭蓋内出血を発症した症例はなく、問題となる副作用も確認されませんでした。
そのため、出血性疾患を予防するより確実な方法として「3ヵ月法」を推奨する方向に進んでいます。
当院でも早速「3ヵ月法」に変更させて頂きます。

また、胆道閉鎖症など肝胆道系の疾患があるとビタミンK吸収障害が起きやすいため、母子手帳の「便色カード」を活用し早期に発見することが大切です。
「便色カード」で新生児の便色の確認をしっかり行ってください。